第3回「命」を学ぶ講演会「涙にいのちあり いのちに愛あり」を開催しました
日本医療大学は平成28年11月29日(火)、第3回「命」を学ぶ講演会「涙にいのちあり いのちに愛あり」を真栄キャンパスのつしま記念ホールで開催しました。講師は、医療法人社団慈佑会 方波見病院の方波見康雄 医師。当日は、学生や教職員など200人近くが参加しました。
講師の方波見 医師は北海道大学医学部を卒業後、故郷の空知管内奈井江町へ戻り開業医の父親を継いで57年間に渡り地域医療を支えてきました。その一方、北海道大学医学部 非常勤講師、藤女子大学 教授、北海道医師会常任理事を歴任してこられました。
今回の講演は「涙にいのちあり いのちに愛あり」と題し、多角的な視点から「命」について迫る内容でした。
最初に、方波見病院で長年勤めてきた看護師を紹介。その看護師のがん発病と闘病生活について詳しく語りました。がんという大病と向き合い、抗がん剤の副作用の苦しみに耐え、死が近いことを悟ると個人個人にひそかな別れを行う。人生の回想と死の準備をしていたその看護師は、まさに“キャンサーサバイバー”であると。方波見医師は「時間の長短ではなく、生きる意味の深さと向き合ったすばらしい方でした」と結びました。
このほか、ペンフィールドのマップ(脳の各部位と全身の運動・感覚の対応図)、他者の痛みに共感する脳領域(社会脳)、1つの細胞から誕生した生命の進化とゲノムの展開などを紹介。
方波見 医師は「私たちひとり一人は、さまざまな生命の営みの結果として存在する唯一無二の存在です。自分以外の他者、人間以外の無数のいのちとのつながりで“あなた”という尊い存在がある。だからこそ、自分を大切にしてほしい」と話しました。続けて「今の時代の連携する医療において、キーパーソンは皆さんひとり一人です。他者のことを想う豊かな気持ちを持って医療職を目指してほしい」と参加者らに語り掛けていました。(事務局 小川)